
スケートフォトグラファーRiO。彼オリジナルのフィルターで切り取り、焼きだされた繊細な世界。そのなかに写り込むスケーター。写真のキャリアがスタートしたのはカナダへのひとり旅だった。彼が生み出し続ける作品とインタビューから、彼のライフスタイルそのものを感じて欲しい。
まずはRiOくんの自己紹介からお願いします。
山本亮(ヤマモト リョウ)です。普段はコマーシャルカメラマンとして横浜で働いています。もう6年ぐらいそこで働いてますね。今年で30歳。吉祥寺在住です。
“RiO”という名前で、スケートボードの写真などを撮っています。なんで“リョウ”じゃなくて“リオ”かと言うと、当時出会ったブラジル人の友達が僕のことを「リオ、リオ!」って呼ぶんですよ。「俺の名前はリョウだよ!リオじゃないよ!」って言ったんですけど、その友達は「俺は“リョウ”って発音出来ない。お前は“リオ”だ!リオデジャネイロのリオと発音は一緒だよ」って。発音しずらい音なのかも知れないですね。雑誌に初めて写真が載るって決まった時に、その事を思い出してその名前にしました。それ以来、RiOって名乗ってます。“i”だけが小文字なのは、“Rio”ってAV女優がいて…( http://blog.livedoor.jp/rio_carnival/ )。あ、知らない?すげーカワイイですよ(笑)!
スケボーと写真、どちらを先に始めたのですか?また、始めたキッカケなどを教えてください。
スケボーの方が先ですね。始めたのは高校1年の時でした。その頃、僕、メロコア音楽バンドをやっていたんですけど、アメリカの音楽PV(特に西海岸系)ってスケボーが露出する機会が多かったりしたんですね。そういうPVを観てるうちに、「スケボーかっこいいな~」って自然と思うようになりました。で、「 Pennywise / Same Old Story 」のPVを観た時「これだ!」って思って、スケボーを買ったんです。それからはバンドをやりながら、スケボーばっかりの生活が始まりました。地元が川崎の多摩区だったんで、滑るのはその周辺。例えば、溝ノ口とか。毎日のように滑ってましたね。高校の3年間はバンドとスケボー三昧です。
大学生になってからは、地元から近い“ 小田急線の和泉多摩川 ”で滑ってました。僕の原点はそこかも知れないですね。今でも繋がりの深いスケーター達はそこで出会ってたりしてます。Lesqueの営業マンつかっちゃん、今のルームメイトとか。
写真を撮り始めたキッカケは?
カナダへのひとり旅に行った時です。大学3年の夏休みに2ヶ月間カナダに飛びました。そのうち半分はトロントでホームステイしながら語学学校に通って、もう半分はトロントからバンクーバー間をバスを乗り継ぎながらひとり旅をしたんです。
その道中のバンフって街に、ルイーズ湖というエメラルドグリーン色したキレイな湖があるって聞いたんですね。その湖にどうしても行きたくて、山道を2時間ぐらい登って、その湖まで行きました。本当にエメラルドグリーン色の湖でめちゃくちゃ感動したんですよ!奥にはロッキー山脈の雪山が見えていて。で、その時に持っていた“写ルンです”でパシャパシャと写真を撮りまくりました。めちゃくちゃ感動したその風景を!帰国後、すぐにカメラを現像に出したんですけど、出来上がってきた写真を見て愕然。ショボすぎたんです(笑)。それがすごい悔しかった。あれだけ感動が全く写真に伝わって来なくて(笑)。今思えば、当たり前なんですけどね。写真の知識も全くなかったし。「風景写真家って呼ばれる人達は何であんなに感動するような写真を撮れるんだろう?“写ルンです”じゃダメなのか…。悔しい。僕も感動するような写真を撮りたい」って思ったのが、僕の写真のスタートですね。それが9年ぐらい前の話し。
実は、うちの父ちゃんがカメラ好きだったんで、父ちゃんに一眼レフカメラを借りて、色々と教わって本格的に写真を始めました。最初は街角の“スナップ”や“風景写真”ばっかり撮ってましたね。
いつからスケボーにフォーカスをあてた写真を撮るようになったんですか?
Lesque誕生と同じ時期なのでもうすぐ4年が経ちます。その前から海外のスケボー雑誌をよく読んでいたんですけど、紙面に載ってるツアー中の風景やスナップやポートレートにすごい影響を受けて、「こういう写真を撮りたい!」って思うようになっていったんですよね。トリック写真は後々撮るようになりましたけど、その分野は名立たる先輩達が沢山いたので、「今更追いつくのは無理だろう」って思っていました。なので、他の部分で勝負と言うか、自分のスタイルを作りたかったんですよね。さっきも言ったように、写真のスタートが“スナップ”や“風景写真”だったので、そこに“スケートボード”加えて写真を撮りたいなって。
影響を受けたフォトグラファーはいますか?
Brian Gabermanですね。elementの専属フォトグラファーをやっている人です( http://gaberman.com/ )。 当時、「skateboarder magazine」という雑誌をよく読んでいたんですけど、その雑誌で専属カメラマンをやってたのがBrianで。彼の写真を見る度に毎回「やべぇ!」って思ってました。なので、彼の影響はかなり受けていますよ。色味や構図などはかなり参考にしています。僕にとってBrian Gabermanは“神”ですね。
現在、RiOくんは日本のスケートボードデッキブランド“Lesque”の専属フォトグラファーというお話しを聞きましたが、彼らとのエピソードを教えてくれますか?
あ、専属フォトグラファーって言っても、Lesqueのライダー以外も撮ったりもします。よく誤解されがちなんです(笑)。
彼らがちょうどLesqueを立ち上げ準備をしている時に、フォトグラファーを探していて、たまたま声をかけてもらいました。Lesqueのつかっちゃんとは元々知り合いで、さっき言った和泉多摩川でよく一緒に滑っていました。実はそのオファーをもらった時、僕はまだスケート写真を撮ったことすらなかったんですけどね(笑)。ストロボもないし、トリック写真をどうやって撮っていいかもわからなかった。でも、「コレは自分を変える良いチャンスだな!」って思って、そのオファーを承けました。急いで機材を集めて、スケート雑誌を読みまくって、トリックの写真の研究を始めました。今だから言えるけど、最初は失敗しまくりでしたね(笑)。完全に試行錯誤だったので。
いきなりハードルが高いモノを要求されたんですね。
そうなんですよ!しかも当時はデジカメなんて持ってなかったので、全てフィルムで撮ってました。日本で有名なスケーター達が集まっていたので、彼らをスケート写真素人の僕が撮るのはすごいプレッシャーでした。緊張しまくりで失敗しまくり(笑)。みんなに迷惑かけるくらいだったらやめようかなと悩んだことも多々ありました。でも、ある日、Lesqueのつかっちゃんやイトシンが「写真失敗したのは残念だけど、RiOくんは撮り始めたばっかじゃん?俺らがどんどんトリックやるからさ!どんどん撮っていこうよ。Lesqueも生まれたばかりだし、0歳児同士、一緒に成長していこうよ!」って言ってくれたんです。泣きそうになるぐらいの温かい言葉でしたね。彼らが居てくれたからこそ、今の僕がありますね。
RiOくんが自分の作品に対して、何かこだわりがあれば教えてください。
プリントにこだわっています。そこはかなり重要視していますね。写真の教科書では「あんまりどぎついプリントはするな」的なことを書いてあるんですけど、僕の場合、けっこう多用しています。好きな技法のひとつに「クロスプロセス」ってヤツがありますね。ポジティブフィルムをネガティブフィルムに変換するんですけど、それをやることでカラーバランスが崩れて、とんでもない色が現れるんです。その技法を使っているフォトグラファーはけっこういると思いますよ。
あと、僕はいわゆる「逆光」もしくは「半逆光」が好きなので撮る時はそこら辺を気にしていますね。被写体は、僕の身近で仲の良い、なおかつ「カッコいい!」と心から思えるスケーター達です。
普段はどんなカメラで写真を撮っているんですか?
よく使うのは「Hasselblad」。たまに「大判フィールドカメラの4×5」。トリックを撮る時はデジタル一眼レフを使ってます。パノラマ写真はHasselbladとFuji Filmが共同開発した「TX-1」ってカメラで撮ってます。計4台です。
カメラマンの仕事、そしてスケボーとその写真活動、3つのバランスを取るのは大変じゃないですか?
そうですね。とりあえずあんまり寝ないですね(笑)。元々はインドア体質だったんですけど、スケートを始めてからはいろんな繋がりが生まれて、単純に「楽しくて幸せだなぁ」と思って、寝る間も惜しんであちこち動き回ってます。週末に寝貯めですね。最近はルームメイトのGrow My Mindの3104( http://growmymind.blog123.fc2.com/ )のせいで、その貴重な寝貯めも削られてますね(笑)。でも本当に楽しい。幸せですね。
あと、職場の師匠が理解ある人っていうのも大きいです。僕の仕事以外の写真にも、興味と理解を持ってくれていて、応援してくれます。例えば、Lesqueのツアーで「1週間休みをもらいたいんですけど…」って言うと「行ってきな!今しか行けないんだからさ!」って。良い師匠に恵まれてたなと思っています。
今後のRiOくんの目標を教えてください。
僕の作品をもっと多くの人に見てもらいたいですね。それは日本だけじゃなくて海外でも。元々のキッカケや憧れが、海外にあるので、“海外での活動”は目標のひとつです。どこどこの国でっていう具体的なモノはないんですけど、海外の舞台には立ちたいですね。10年かかってもいい。それこそLesque専属フォトグラファーを蹴っても行きたいですね(笑)。これはLesqueのメンバーにも言ってあります。
あと、そのLesqueがもっともっと有名になるのも夢のひとつです。僕をスケートフォトグラファーとして成長させてくれたファミリーなので。Lesqueのデッキがもっと売れるように、これからもどんどん良い写真を撮らなきゃなと思っています。
最近、何か印象に残っている撮影時のエピソードはありますか?
沖縄出身の伊藝”三世”雄一ってライダーとの撮影が印象に残ってますね。ふたりで足立区にある“鹿浜バンク”へ撮影に行ったんですけど、三世は「RiOくん、俺、今日出来るよ!マジでメイクするから!」って自信満々だったんですよね。「わかった。お前が出来るっていうんだったら出来る。撮ろう!」って言って撮影に臨んだんですけど、2時間ぐらいひたすらやって、アイツ、結局メイク出来なくて(笑)。「ごめん。俺、今日何も出来ん。何も撮れん。しにごめん…」って相当凹んじゃったんですよね。三世には申し訳ないけど、実は僕、ポートレートが撮りたかったんですよ(笑)。で、メイク出来なくて落ち込んでる時に、「三世、ポートレート撮らして」って撮った一枚が下の写真ですね。僕はかなり気に入ってて、本人も最近その話をしてみたら意外と気に入ってくれてるようです。
最後に告知などがあったらご自由にどうぞ!
最近、新代田にあるスケートショップ“Swingin’ Market( http://www.swinginmarket.com/ )”からコラボフォトデッキがリリースされました。“Swingin’ Market”と “arukuna_tv( http://arukuna.net/ )”と“RiO”のトリプルネーム。表面と裏面に僕の撮った写真が使われています。Swingin’ Marketで購入出来ます!よろしくお願いします!!
RiO[ スケーター/スケートボードフォトグラファー ]
横浜でカメラマンとして働きながら、スケートボードフォトグラファーとしても活動。スケーターの日常風景を独自の視点とフィルタで写真に切り撮る。国内スケートボードデッキブランド“Lesque skateboards”専属フォトグラファー。
1981年生まれ。川崎市多摩区出身。吉祥寺在住。
RiO Photography
http://badtown-riophoto.blogspot.com/
Lesque skateboards
http://www.lesque.com/
BOOZE DESIGN WORKs
http://www.boozedesignworks.com/
Swingin’Market x arukuna_tv x RiO SKATE DECK
http://www.swinginmarket.com/item/original/original_d001/












